2026年3月17日

「根管治療はなぜ何回も通院が必要なのですか?」
患者様からよくいただく質問の一つです。忙しい中で何度も通院することに疑問を感じる方も多いですが、根管治療は歯を残すために非常に精密で重要な治療です。
根管治療とは、虫歯が進行して歯の神経(歯髄)まで感染が広がった場合に行う治療です。歯の内部にある細い管(根管)の中から、感染した組織や細菌を取り除き、きれいに消毒したうえで薬剤を詰めて密封します。
この治療が複数回必要になる理由の一つは、根管の構造が非常に複雑であることです。根管はまっすぐな一本の管ではなく、細く入り組んだ枝分かれ構造をしています。そのため、一度の処置ですべての細菌を取り除くことが難しく、何度かに分けて丁寧に清掃・消毒を行う必要があります。
また、根の中は肉眼では見えないため、ラバーダム・ニッケルチタンファイルやCTレントゲンを用いて慎重に治療を進めます。感染が強い場合には、薬剤を一定期間作用させる必要があり、その経過を確認するためにも複数回の通院が必要となります。
さらに、根管内の細菌は非常にしつこく、完全に除去できていない状態で治療を終えてしまうと、再び感染を起こすリスクがあります。これにより再治療が必要になるケースもあるため、確実に細菌を減らすためのステップを踏むことが重要です。
根管治療の最終段階では、きれいにした根管に薬剤を詰めて密封し、その後にかぶせ物(クラウン)を装着して歯を補強します。この工程も含めると、治療回数が多くなることがあります。
一見すると回数が多く感じる根管治療ですが、これは「回数を増やしている」のではなく、歯を長く残すために必要な工程を一つひとつ丁寧に行っている結果です。
また、症状や歯の状態によって治療回数は異なりますが、適切な治療を受けることで歯を抜かずに保存できる可能性が高まります。
根管治療の成功率を高めるためには、治療を途中で中断しないことも非常に重要です。通院間隔を守り、最後までしっかり治療を受けることで、再発リスクを抑えることにつながります。
大切な歯を守るための根管治療。
回数には理由があり、その一つひとつが歯の寿命を左右しています